【災害の備え】災害に備える!
過去に自然災害の発生した場所やその土地の歴史を知ることで、
防災に役立てることができます。
明治時代の土地利用を知る
明治時代には関東、近畿(大阪・京都の一部)、中部(愛知・岐阜・三重の一部)で地形図が整備されました。地形図にはその当時の土地利用が描かれており、そこから災害が発生しやすいかどうかを推測することができます。たとえば、過去に湖沼や河川、湿地だった土地では、大地震発生時には液状化する場合があります。
ここでは「明治期の低湿地データ」を表示してみましょう。 中心部付近の被災前後の比較、被災後に計測した陰影段彩図、低空から撮影したドローンなど様々な視点から被災状況を確認できます。
明治期の低湿地データを表示
東北地方太平洋沖地震による
液状化現象によって被害が集中した地域
土地の成り立ちを知る
土地の成り立ちをまとめた地図を地形分類図と呼びます。地形分類図は、その土地の地形の形態、成り立ち、性質などによって区分しています。東北地方太平洋沖地震の際は、昔は川や沼だった場所で集中的に液状化現象が生じました。
地形分類図を見ることによって、その土地が本来持っている自然災害リスク(地震による液状化や豪雨等による浸水など)が確認できます。
地形分類(自然地形)を表示
地域の起伏を確認する
地形図には高さを示す等高線が描かれています。
より直感的に土地の起伏を表現した「陰影起伏図」や、高さで色分けした「デジタル標高地形図」などを用いて、細かい高低差を読み取ることができます。
地形図(京戸川扇状地)
陰影起伏図
★知って得する豆知識★ (国土地理院・地理教育の道具箱へリンク)
自分で作る色別標高図
地理院地図の機能で、土地の高さ毎に細かく自分で色分けした地図を作ることができます。
日常生活ではなかなか見えない土地の特徴が浮かび上がってきます。
自分で作る色別標高図
★知って得する豆知識★ (国土地理院・地理教育の道具箱へリンク)
ゼロメートル以下の地域を確認する
自分で作る色別標高図でゼロメートル以下になる地域のみ色付けすることで、ゼロメートル以下の地域を確認しやすくなります。
濃尾平野におけるゼロメートル以下の地域(青色)
微小な起伏を確認する
平野部は航空レーザで測量を実施しているため、等高線では表現できない微小な起伏の地形も表現することができます。
岡村断層
【参考】起伏の違いは断層崖
自然災害伝承碑を見る
過去に起きた津波や洪水などの自然災害の教訓を後世に伝える石碑やモニュメントを地理院地図で見ることができます。
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地図の種類から「災害伝承碑・避難場所」→「自然災害伝承碑」を選択
すべてを表示させるか
災害の種類ごとに選ぶ事ができる -
地図記号をクリックすると実際の碑の写真が出てくる
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写真ををクリックすると自然災害伝承碑の
詳細な内容が確認できる
災害リスクを考える
地形分類図から自然災害に対するリスクを知る方法をご紹介します。
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この自然災害伝承碑は1893年の台風により堤防が決壊し犠牲となった人々の供養塔として建てられた。
この供養塔の頭部が当時の水位を示している。 -
この碑周辺の地形分類は氾濫平野であることを示している。河川の氾濫に注意が必要なことと、
地震による液状化のリスクが大きいことがわかる。
避難場所や避難場所を再確認する
地理院地図では日本全国の指定緊急避難場所を災害別に表示することができます。
洪水の時の指定緊急避難場所
津波の時の指定緊急避難場所
災害によって異なる指定緊急避難場所を、地図上で確認することができます。
★知って得する豆知識★ (国土地理院・地理教育の道具箱へリンク)
災害リスク
避難場所の立地を地形分類の視点から見ることで、その場所の潜在的な災害リスクを把握することができます。
地形分類(自然地形)に指定緊急避難場所を表示
西日本豪雨時の浸水推定図
指定緊急避難場所周辺の潜在的な災害リスクを把握することも大切です。
標高、地形断面図
地理院地図では避難場所の表示と避難経路の高低差がわかる地形断面図が作れるので、避難経路が適切かどうか確認することができます。
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