■ 準上下・準東西方向とは
準上下方向及び準東西方向の変位速度とは、北行軌道及び南行軌道から得られた衛星視線方向を、上下、東西方向に変換したものです。
準上下、準東西の「準」の標記は、得られる方向が上下方向と東西方向からわずかにずれていることを示しています。
詳細は、以下をご覧ください。
衛星視線方向の変位速度と地表の動き
干渉SAR時系列解析によって得られる変位速度は、地表と衛星を結ぶ方向(衛星視線方向)にどれだけの速さで距離が変化しているかを表しています。
そのため、北行軌道あるいは南行軌道の衛星視線方向の変位速度のみだけでは、
地表が上下に動いているのか、東西に動いているのかを知ることができません。
※ 干渉SARは、通常の解析方法では南北方向の変化を捉えることができませんので、干渉SARの結果は上下または東西方向の変化を反映したものになります。
衛星視線方向から準上下・準東西方向への変換(2.5次元解析)
北行軌道と南行軌道の2つの衛星視線方向の変位速度を用いることで、上下方向と東西方向の変化がわかります。
たとえば、ある地点において、北行軌道では衛星に近づく変位、南行軌道では衛星から遠ざかる変位が観測された場合、
北行軌道からは隆起か西向き、南行軌道からは沈降か西向きの変位のいずれかとなることから、
両者に共通する西向きの変位であることがわかります。
このように、北行軌道と南行軌道の結果を用いて、上下、東西方向の変位に変換する手法を2.5次元解析と呼んでいます。
この解析で得られる上下、東西方向は、実際の上下、東西方向から数度ずれたものとなります。